
©2018 FULL CIRCLE PRODUCTIONS, LLC, NOSTROMO PICTURES, S.L. and LIFE ITSELF AIE. ALL RIGHTS RESERVED.
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2018年公開(日本は2019年)の映画『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』について、結末までのストーリーをご紹介しています。
とある家族にまつわる運命が、国籍や世代を超えて交差する不思議な物語を、ボブ・ディランの曲を背景に綴っていきます。
映画『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』作品情報

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【原題】
LIFE ITSELF
【製作年・国】
2018年・アメリカ
【監督】
ダン・フォーゲルマン
【キャスト】
オスカー・アイザック、オリヴィア・ワイルド、マンディ・パティンキン、オリヴィア・クック、ライア・コスタ、アネット・ベニング、アントニオ・バンデラス、ジーン・スマート、セルヒオ・ペリス=メンチェータ、アレックス・モネール、イザベル・ドゥラント、ロレンツァ・イッツォ、サミュエル・L・ジャクソン、ケイトリン・カーマイケル
【本編尺】
117分
【作品概要】
ある一つの事件をきっかけに、数十年の時を経て、2つの家族がつながる。
「ライフ・イットセルフ 未来に続く物語」は、平凡な人生を大きく変えてしまう過酷な試練と、それを包み込む愛、そして奇跡を描いた、壮大なヒューマンドラマです。
監督・脚本を務めたのは、2017~2019年4月まで放送され大ヒットを記録したTVドラマ「THIS IS US/ディス・イズ・アス」を手掛けたダン・フォーゲルマン。
ヒロインのアビーが劇中でこよなく愛するボブ・ディランの名曲が、作品を哀愁たっぷりに彩ります。
ダン・フォーゲルマン監督自身もボブ・ディランの楽曲を聴きながら脚本を執筆しており、彼の楽曲は本作に欠かせないものだと確信していたそうです。
「ライフ・イットセルフ 未来に続く物語」は、「THIS IS US」の大ヒットにより大きな期待を受けて製作されましたが、実際の興行収入は予想をはるかに下回る結果となりました。
海外の映画批評サイトでは、観客からの評価は比較的高いものの、映画評論家からは軒並み酷評をくだされており、“ダン・フォーゲルマンはTVドラマ向きである”という声が多く上がっています。
日本では配給がキノフィルムズということもあり、関東ではkino cinemやTOHOシネマズシャンテといった中~小規模の映画館で上映されています。
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映画『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』のストーリー!ネタバレ注意
本作は、チャプター1~5までの章立て構成で物語が進行していきます。

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【チャプター1】
ウィル(オスカー・アイザック)は、愛する妻・アビー(オリヴィア・ワイルド)と別れてから精神的に不安定な日々を過ごしていました。
数ヵ月を施設で過ごし、退院してからもカウンセラーのDr.ケイト(アネット・ベニング)のもとに通い、カウンセリングを受けています。
アビーは幼い頃に両親を自動車事故で亡くし、引き取られた叔父からは性的虐待を受けるという悲惨な少女時代を過ごしていました。
思春期の頃に友人から借りた銃で叔父の脚を撃って反撃し、大学進学後は文学にのめり込んでいきます。
そこで出会ったのがウィルでした。
ウィルとアビーは大恋愛の末に結ばれ、子供を授かります。
臨月を迎え、アビーが愛してやまないボブ・ディランを聴きながら休日の朝を過ごし、2人はウィルの両親の家を訪ねます。
その後、2人は離婚することになったというのですが、カウンセラーと話をしていくうちに少しずつ真実が明らかになっていきます。
実は、帰宅途中によそ見をしながらうっかり車道に出てしまったアビーは、バスにはねられ命を落としてしまったのです。
アビーの死を受け入れられなかったウィルは、アビーと離婚したと思い込み、心に蓋をしていました。
カウンセラーはウィルの両親のもとにいる娘に会いに行くよう促しますが、ウィルはそれを拒否。
アビーの死に改めて直面し、絶望の淵に立たされたウィルは、カウンセリングの最中に銃で自ら命を絶ってしまいます。

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【チャプター2】
アビーとウィルの娘は、アビーが大好きだったボブ・ディランにちなんでディランと名付けられ、祖父母によって育てられました。
ディランの生い立ちは壮絶です。
ディランがお腹の中にいる時に母は事故死、父は精神を患い自ら命を絶ちました。
祖母も幼い頃に亡くなり、親友だった犬までも亡くなってしまいます。
祖父・アーウィン(マンディ・パティンキン)に可愛がられながらも、孤独と喪失感を抱えながら育ったディラン(オリヴィア・クック)は、成人する頃には不良じみたパンクロック少女になっていました。
祖父を愛してはいるのでしょうが、暴言を吐き、タバコを吸い、夜な夜なライブハウスでバンド活動をする日々。
ライブハウスで殴り合いの喧嘩を吹っ掛けるほど荒れていましたが、ふと寂しさに襲われます。
夜のベンチで1人座り込み、涙を流していると、1人の青年が
「大丈夫?」
と声をかけます。

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【チャプター3】
舞台はスペインのアンダルシアへと変わります。
たくさんの人たちが農園でオリーブを収穫しています。
農園で働く青年ゴンザレス(セルヒオ・ペリス=メンチェータ)は、農園のオーナー・サチオーネ(アントニオ・バンデラス)から呼び出されます。
ゴンザレスはサチオーネのことが好きになれませんが、農園の責任者のポジションを打診され、家賃なしで住む場所を提供してもらうことを条件に、責任者を引き受けます。
そしてゴンザレスは、恋人のイザベル(ライア・コスタ)にプロポーズ。
結婚した2人は農園のそばの家で暮らし、やがて息子のロドリゴが生まれ、幸せの絶頂にいました。
しかしゴンザレスは、サチオーネが自分の不在時にたびたび家を訪問し、ロドリゴにおもちゃや地球儀など高価なものを買い与えることに不満を感じていました。
ある時、コンザレス一家はニューヨークへ旅行に出かけます。
旅行中のバスの中でロドリゴが乗客や運転手に話しかけ、運転手がよそ見をした際に、1人の妊婦を轢いてしまいます。
その女性こそが、アビーだったのです。
事故を目の前で目撃したロドリゴは、トラウマを抱え、精神的に不安定な状態が続きます。
これが原因でゴンザレスとイザベルの仲は徐々にこじれていきます。
大きな街の精神科医にロドリゴを診てもらう際にも、サチオーネが費用を負担。
やがてゴンザレスは、サチオーネに「手紙で2人の様子を知らせて欲しい」と頼み、家を出ていきます。
イザベルはサチオーネを愛することはできないと告げますが、サチオーネはそれを承知のうえで2人の面倒を見るのです。
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【チャプター4】
時が流れ、ロドリゴ(アレックス・モナー)は母親思いの立派な青年に成長していました。
優秀なロドリゴはニューヨークの大学に進学できることになりますが、母イザベルが病におかされていることが発覚します。
ロドリゴは母を気にかけて家に残ろうとしますが、イザベルの説得もあり、故郷を離れてニューヨークの大学へと進みます。
ロドリゴは真面目で勤勉で、スポーツも優秀、毎日のようにジョギングを欠かしません。
恋人もできますが、エイプリルフールで妊娠したと嘘をつかれたことがきっかけで別れてしまいます。
イザベルの病は悪くなる一方で、いよいよ最期の時が近づいた頃、ゴンザレスが家に戻り、2人は再会を果たします。
サチオーネはずっと手紙でゴンザレスに近況を知らせていたのです。
ロドリゴもまた、母の悲しい知らせを手紙で知ることになります。
失意のどん底に陥り、ニューヨークの街をジョギングをしながらさまようロドリゴの前に、ベンチで涙を流す赤い髪の女性がいました。
「大丈夫?」
ロドリゴが声をかけたその女性が、ディランだったのです。

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【チャプター5】
時が過ぎ、エレーナ(ロレンツァ・イッツォ)という女性が、この物語について語っていました。
実はエレーナは、ロドリゴとディランの娘なのです。
作家になったエレーナは、自叙伝の中で、祖父母や両親について書いていました。
エレーナが、祖母にあたるイザベルがロドリゴに告げたお別れの言葉を語り、物語は幕を閉じるのでした。
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映画『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』の感想と評価

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邦題で「未来に続く物語」とあるように、人生における出会いや巡り合わせ、あるいは絆という壮大なテーマを感じさせるストーリー。
全編に渡って伏線めいた展開になっており、最終的に全てのチャプターが繋がるというパズルのような構成です。決してボーッと観ていられる内容ではないですね。
ストーリーにはちょっぴり重たい展開もあるし、手法としては使い古された感はあるものの、最終的には前向きなメッセージとして受け取ることができたように感じます。
キャストは皆それぞれが豊富なキャリアと高い評価を得ている面々が揃っています。
中でも、アカデミー賞では無冠の名優とされるアネット・ベニングがカウンセラーのDr.ケイトを、一時は一斉を風靡したアントニオ・バンデラスが風格を増して農園のオーナー・サチオーネを演じるなど、大いに注目に値するのではないでしょうか。
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